平成23年度 講道館審判講習会

開催日時 平成23年 5月15日(日曜日)
開催会場 福井県立武道館(午前:会議室/午後:柔道 大道場)

福井県立武道館に講師に岡田 弘隆先生をお迎えし、福井県の柔道関係者約100名を集め、平成23(2011)年5月現在の国際柔道連盟審判規定に関する審判講習会が開催されました。

 岡田 先生の主な経歴はこちら(Wikipediaへのリンク)


国際規定に関して

現在の国際柔道審判規定の背景

北京のオリオンピックの柔道とは、本来の柔道と大きくかけ離れていた。(1m柔道と揶揄されていた。)
そこで、低い姿勢の柔道をやめさせ、本来の正しく組んで、崩して投げる柔道を行わせる為に一連のルール改正が行われました。

講義内容:

立ち技に関して

●国際柔道審判においては、技のランディングをしっかり見極める。
●ブザーが鳴る瞬間に掛けた技は有効とする。
(ケンケン内股等で、ブザーが鳴る前にしかけ、ブザーが鳴って投げた場合も、技の効果を認める)
●背負い等で、反対に投げた場合は相手をコントロールしているかを見極める。
●技を中断して投げた場合、一度投げられた相手が一旦技を受けてから投げられた場合は、ワンランク下のランクのポイントを与える。
●捨て身技で、胴体となった場合、、先に背中が付いた方をに与えるのではなく、最終的にコントロールした方に与える。

寝技に関して

●抑え込みで、相手がしっかりと脚を絡んでいるか見極める。
●三角からの抑え込みは、尻が畳から浮いている事を見極める、畳に尻が落ちた場合は、待てをかける。
(ただし、瞬間的な場合は無視をしても良い)

反則の適用に関して

●ネガティブ柔道を辞めさせる。
●片襟は攻撃し続けていたら、反則を与えない。
●奥襟を超えて、背中越しに道着を持った場合、すぐ(一呼吸以内)に攻撃をしなければ指導を与える。
●袖口、ピストルグリップの場合、現在の国際柔道の流れは、攻撃の場合は、極端でなければ直ぐに取らないが、防御した場合は直ぐに指導を与える
●消極的柔道は、極力、片方の選手に与える(6:4を見極め、4の方のみに与える)。
●開始線に戻らなくても、相手と向かい合えば”初め”を宣告する事が出来る。
●審判は、必ずしも元の位置に戻らなくても良いが、罰則を与える場合は、元の位置に戻る。

場内・外の攻防に関して

●副審 場外の判定は、一呼吸おいて場内外の判定を行う。
●両者の内、片方が安易に場外に出た場合は、2回目を目安に場外指導を与える。
(ジェスチャーは脚を下げるか、指でラインを示す。)
●寝技を嫌って、這って場外に逃げた場合は、指導を与えるべき。

負傷

●重症に繋がる可能性のあるケガの場合は、直ぐに試合を止めてドクター(医者)を呼ぶ
それ以外は、試合者にドクター(医者)を呼ぶか確認し、呼ばない場合は、直ぐに試合者を立たせる。
寝技での出血に関しては、そのままで、止めて、治療後再開させる。

ジェスチャーに関して

●副審が合議を求める場合、副審はその場に立ち上がる、また、片方の副審も、それに合わせて立ち上がる。(手を上げない)
主審が気が付かない場合、主審に近い方の副審が主審に近づく
●判定を取り消す場合は、最初の技の効果は再コールせずに、取り消し動作を行う。
●指導の場合は、指導のポーズのみで、発生を行わない。
●引き分けは、ジェスチャーと宣言を行う。
●寝技の反則は、有利な態勢の選手が反則を犯した場合は、立たせて指導を与える。
 不利な姿勢の選手が反則を犯した場合は、そのままを宣告後指導を与え、試合を再開させる。


講習会の風景